住宅ローンの仮審査に10%が落ちる理由とは?意外な原因と対策を徹底解説

「毎月の家賃支払いがもったいないし、そろそろ我が家もマイホームを!!」
とワクワクした気持ちで家づくりを始めたものの、
住宅ローンの審査に通らず、家賃を支払い続けることに・・・

実は、住宅ローンの仮審査に落ちる人は全体の10%いると言われており、
さらに、仮審査に通過した人の約5%は本審査に落ちるとも言われています。

安定した収入もあるし住宅ローン審査には問題なく通るだろう!
と安易な気持ちで考えていると、思わぬ落とし穴で審査に落ちることも十分考えられます。

そんな悲しいスタートにならないよう、本記事では
住宅ローン審査に落ちてしまう原因と対策を解説していきます。
住宅ローン審査をスムーズに通過して、夢のマイホームで快適な暮らしを実現してください。

住宅ローン審査とは

「住宅ローン審査」とは金融機関が借り手の健康状態や勤務状況、これまでに組んだローンの返済に滞りはないかなど必要事項を確認し、融資しても問題ないかを判断することです。

住宅ローン審査では融資する金額も大きいので
仮審査(事前審査)と、本審査(正式審査)の2段階で審査が行われます。
当然ですが仮審査を通過できなければ本審査に進むことはできません。

住宅ローン審査の流れ

①借入先の選定(銀行、信用金庫・組合、労金、農協、モーゲージバンクなど)
②仮審査申し込み・結果
③本審査申し込み・結果
④住宅ローン契約
⑤融資実行

住宅ローン審査にかかる時間

仮審査…約2日~1週間程
本審査…約1週間~2週間程

余裕をもった計画を立てることをオススメします。

住宅ローン仮審査に通らない理由と対策

完済時の年齢が高い(80歳を超えている)

借入先によっても異なりますが一般的には”完済時の年齢が80歳を超えているか”を基準に判断されます。平均的な住宅ローンの返済期間は約30年~35年ですので40歳を目安に住宅の購入を検討することをオススメします。ただし、年齢が低くければ審査に通りやすいとも限りません。
収入や勤続年数も審査対象になりますので注意しましょう。

〈対策〉
どうしても完済時の年齢が80歳を超えてしまう場合は、返済期間を短くしたり、親子リレーローンペアローンを検討しましょう。

健康状態に問題がある

借入をする場合、団信(団体生命保険)に加入することが必須の場合がほとんどです。 そのため、健康状態に問題のある方は審査に通らない可能性が高くなります

〈対策〉
健康状態に不安のある方は、団信加入義務のない「フラット35」やワイド団信を提供している住宅ローンを組むことを検討しましょう。
ただし、金利が上乗せされますので注意してください。

■購入予定の物件資産が低い

金融機関は物件に抵当権担保として設定します。
貸手に万が一のことがあり住宅ローンの返済ができなくなった場合は、 債務の回収として物件を売却します。
そのため、物件の資産が低い場合は、審査に通りにくくなります。

〈対策〉
対策として、頭金を増やす、他の借入先を検討する、物件を見直す、別の担保を提供する(他に所有している不動産や資産など)があげられます。

■非正規社員の人

正社員以外のパートや契約社員はもちろん、個人事業主の方も審査に通りにくい場合があります。
個人事業主の方は3期継続して黒字であることが条件になりますので、計画的な働き方を心掛けましょう。

〈対策〉
正社員以外で勤務されている方は働き方の見直しを検討しましょう。
また、頭金を増やす他、ペアローン収入合算なども視野に入れるようにしましょう。

■勤続年数が短い・転職回数が極端に多い

雇用形態や収入面にプラスして、勤続年数や転職回数も大きな審査ポイントになります。勤続年数は約2年~3年を目安にしてください。転職については極端に多くなければ問題ありませんが、転職したばかり、独立したばかりの方は審査に通りにくい傾向にあります。

〈対策〉
転職、独立は本審査通過後にするようにしてください。
勤続年数を問われないフラット35を検討するのもよいでしょう。

■連帯保証人がつけられない

親名義の土地に家を建てる場合は、親が連帯保証人になることを求められる場合があり、それを拒まれてしまうと本審査に通りにくくなります。

〈対策〉
拒まれてしまった場合は、親の土地を担保にしない、または保証人の必要がないフラット35を検討しましょう。
ただし、金利が高くなるので注意してください。

スーパーホワイトの人

スーパーホワイトとはクレジットカードやローンを利用した実績がなく、個人信用情報が存在しない人のことを言います。一見、問題のないように思いますが、自己破産や債務整理をした為に、ローンが組めない人なのでは?と疑われてしまう場合があります。

〈対策〉
クレジットカードを持っていない人は早めに作成し、固定費の支払いをクレジットカード経由で支払うことをオススメします。ポイントも溜まり一石二鳥ですよ。

ブラックリストに登録されている人

スーパーホワイトとは反対に、ローンの返済を滞納したことがある人は信用情報機関にブラックリストとして登録されている可能性があります。クレジットカードや、スマートフォン、奨学金の支払いを滞納したことがある方は要注意です。最長10年ローンが組めない場合もあります。尚、完済していても、滞納したことがあるかが審査のポイントになりますので心あたりのある方は、仮審査前に自身で調べておくことをオススメします。下記信用情報機関に本人が開示の請求を行うことで確認できます。

日本信用情報機

シー・アイ・シー(CIC)

全国銀行信用情報センター

〈対策〉
うっかり滞納してしまうことを避けるためにも可能な限り、早めに完済することをオススメします。

希望の物件が金融機関の営業エリア外

地方銀行や信用金庫は営業エリアが限られていることがあります。

〈対策〉
対応不可とされてしまった場合は、別の金融機関を探すか、不動産会社やハウスメーカーに相談してみると良いでしょう。

他社での借り入れがある

マイカーローンやクレジットカード、奨学金など他社での借り入れがある場合は、仮に審査に通っても借入金額が大幅に減額になる可能性があります。

〈対策〉
可能な限り、返済してから仮審査に申し込むことをオススメします。

返済負担率が高い

返済負担率とは住宅ローンを含む借入返済額が年収に占める割合のことです。金融機関は無理なく返済可能かを審査するので、返済負担率が高すぎる場合は審査に落ちる可能性が高くなります。一般的には返済率25%~30%以下が理想と言われておりますので、仮審査前に自身の返済負担率を調べておきましょう。

〈返済負担率確認方法〉
年間の返済額÷額面年収×100

〈対策〉
予算が足りない場合は頭金を多めに用意する他、ペアローン収入合算も検討しましょう。

住宅ローン仮審査に必要な書類

〈身分証明〉

マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カードまたは特別永住者証明書(外国人の方のみ必要)のいづれかの顔写真付きの証明書が必要です。

有効期限が切れていないこと、正しい住所が記載されていることが条件になりますので、事前に確認しておきましょう

〈印鑑〉

認印でも可能です。
※本審査では実印が必要になります。

〈物件関連資料〉

物件情報(販売チラシ等)、見積書、建物の図面、土地・建物の登記簿謄本(中古物件の場合)、土地の公図などが必要になります。具体的な必要書類は借入先によって異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。

〈所得証明〉

給与所得者の場合は源泉徴収票、直近約3か月程度の給与明細、健康保険証(社会保険証)が必要になります。
個人事業主の場合は直近3年分の確定申告書の控え、収支内訳書や青色申告決算書、納税証明書、この他に取引先との契約書や預金通帳の写しなども求められる場合があります。

〈その他〉

他にローンを組んでいる場合は残高証明書も必要になりますので、事前に用意しておきましょう。

住宅ローン本審査に通らない理由と対策

当然ですが仮審査に通過しても、必ずしも本審査にも通過するとは限りません。仮審査はあくまでも、事前の審査であり、本審査に通過する見込みがあるかを確認するものなので、油断は禁物です。

購入予定の物件資産が低い

仮審査でも審査に通らない原因のひとつとしてあげましたが、本審査ではより細かく審査されます。希望の借入額に対して、物件の担保価値が低いと希望額まで届かない可能性がありますので今一度頭に入れておきましょう。

〈対策〉
対策としては、仮審査と同様に頭金を増やす、他の借入先を検討する、物件を見直す、別の担保を提供する(他に所有している不動産や資産など)などを検討しましょう。

事前審査の申告内容に相違がある

事前審査の申告内容に相違があった場合は本審査には通らなくなります。具体的には、本審査前の転職や独立、他社での借入、物件そのものの変更などがあげられます。本審査に通過するまでは油断せず、仮審査と本審査での書類の不一致をなくすようにしてください。

住宅ローン本審査に必要な書類

〈身分証明〉

マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カードまたは特別永住者証明書(外国人の方のみ必要)のいづれかの顔写真付きの証明書が必要です。有効期限が切れていないこと、正しい住所が記載されていることが条件になりますので、事前に確認しておきましょう

〈印鑑〉

本審査では実印が必要になります。

〈住民票〉

発行から3ヶ月以内のものが必要になります。尚、外国人の場合は在留資格が記載されたものが必要になります。

〈物件関連資料〉

既に契約済の場合は売買契約書、重要事項説明書、注文住宅の場合は建築確認済証、事前審査時にも使用した、物件情報(販売チラシ等)、見積書、建物の図面、土地・建物の登記簿謄本(中古物件の場合)、土地の公図なども改めて必要になります。

〈所得証明書〉

給与所得者の場合
源泉徴収票、直近約3か月程度の給与明細、住民税決定通知書または課税証明書が必要になります。

個人事業主の場合
直近3年分の確定申告書の控え、収支内訳書や青色申告決算書、納税証明書、この他に取引先との契約書や預金通帳の写しなども求められる場合があります。

〈その他〉

他にローンを組んでいる場合は残高証明書も必要になりますので、事前に手物に用意しておきましょう。また、借入先から申込書や契約書などの書類提出が求められた場合は、 内容をよく確認したうえで記入し提出するようにしてください

本審査では仮審査と比べて必要書類も多くなります。具体的な必要書類は金融機関やによっても異なるため、事前に不動産会社やハウスメーカー、借入先金融機関に確認しておくとスムーズです。書類の不備をなくすためにも担当者とよく打ち合わせをするよう心がけましょう。

フラット35とは?

フラット35とは住宅金融支援機構と民間金融機関が提携し、提供している長期固定金利型の住宅ローンです。

審査に通りやすそうだけどデメリットはないの?
と疑問に感じている方も多いはず。
簡単にフラット35のメリットとデメリットを紹介します。

【メリット】

〈長期固定金利〉
金利の変動に左右されず、安定した返済計画を立てることができます。

団信加入の選択ができる〉
団信加入が必須ではないため、健康上の不安・問題がある方でも審査に通りやすくなっています

〈審査に通りやすい〉
雇用形態、勤続年数などの制限がないため、パートやアルバイト、転職したばかりで勤続年数が短い方も審査に通りやすくなっています。

〈保証人・保証料がかからない〉
フラット35では保証人・保証料が不要です。一般的な住宅ローンでは、保証料として借入金額の約2%を支払う必要がありますがフラット35では支払う必要がありません。

【デメリット】

〈金利が高い〉
固定金利のため、変動金利に比べると初期の金利がやや高めに設定されています。また、金利上昇のリスクを回避できる反面、逆に金利市場が低下しても当然ながら金利は下がることはありません

〈物件に対する条件が厳しい〉
フラット35では、耐震性、省エネ性能、バリアフリー性能などの一定の基準を満たさないと審査に通らない可能性があります。とくに、中古物件を検討している場合は注意が必要です。

金利上昇への不安がある方、長期的な安定性を求める方、毎月の返済を計画的に行いたい方はフラット35を検討することをオススメします。
フラット35公式

まとめ

住宅ローンの審査に落ちる原因は収入や返済負担率、健康状態や信用情報の問題などさまざまです。事前に原因を把握し、対策をとることで審査に通る可能性を高めることができます。
「夢のマイホーム」その第一歩である住宅ローン審査をスムーズに通過し、素敵な家づくりを実現させてください

補足

◆モーゲージバンク◆
預金業務を行わず住宅ローンを専門に取り扱う金融機関

◆親子リレーローン◆
親子で1つの住宅ローンを組み、二世代で返済していく仕組み
(※親子だけでなく、祖父母と孫でも可能)

◆ペアローン◆
夫婦または親子それぞれが契約者としてローンを組む仕組み

◆団信◆
「団体信用生命保険」のことで生命保険の一種。
契約者が亡くなったり、重度の障害でローンの返済ができなくなったりした場合、住宅ローンの残額の返済が免除される仕組み

◆ワイド団信◆
健康上の理由で一般の団信に加入することが難しい方向けに作られた加入しやすい団信

◆抵当権◆
金融機関が家や土地などに設定する権利のこと

◆担保◆
借り手が住宅ローンの返済を保証するために提供する物や財産

◆収入合算◆
夫婦のまたは親子の収入を合算してローンを組む仕組み


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